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フィッシュマンズ「感謝(驚)」

何となくフィッシュマンズの「感謝(驚)」という曲について考えていたら、この歌詞は非常に論理的で読み解きやすい内容ではないかと思ったので、最初の行から丹念に読んでみた。

以下のような歌である。引用のやり方としてはフレーズに分けながら考察を示していった方がいいのかもしれないが、ここではこの歌詞が首尾一貫した構成を持っているという主張がしたいので先に歌詞の全体を掲げる。

楽しかった時が終わって
気づいてみたらさみしい人だった
寄り添う肩も頼りにならないで
裏切ったような気分だった

なぐさめもなく
やさしさもなく
そっと過ぎてく季節を
はしゃがないで見守ってた
あの人に驚きと感謝込めて歌うだけだった
そう全部

正しくもない
ウソつきじゃないよ
そう全部
指切りしない
近道しないよ
そう全部

夏休みが終わったみたいな顔した僕を
ただただ君は見てた

人影もなく
あこがれもなく
そっと過ぎてく季節を
はしゃがないで見守ってた
あの人に驚きと感謝込めて
見てただけだった
そう全部

正しくもない
ウソつきじゃないよ
そう全部
指切りしない
あこがれじゃないよ
そう全部

正しくはない
近道しないよ
そう全部
正しくもない
ウソつきじゃないよ
そう全部

以上の内容について、最初の行から僕の理解を元に書き直してみた文章が以下である。

楽しかったころ自分の周囲には人がいたし、だからこそ楽しくしていられた。だがその時間が終わってみれば、熱が次第に冷めていく寂しさばかりが残ってしまう。彼らはよそよそしい存在になって、彼らも自分も楽しかったときのように触れ合うことができない。本当に楽しかったはずなのに、何だかそうでもなかったみたいになってしまった。

しかしあの人は、その寂しさを口実に慰め合おうとはしなかった。みんな寂しくなったと口にすれば、みんなでめそめそしていられる。しかしそういうことはしないで、ただ寄り添わない代わりに僕をそのままじっと見ていた。その頑なな誠実さは驚くべきことであり、感謝すべきことなのである。だから自分には、その驚きと感謝を歌うことだけができるのだった。

全部同じことだ。自分は必ずしも正しくなんかない。そう言えることこそが、まさしく嘘がないことだと言える。すべてそうあるべきなのだ。何でも約束したりはしない。ごまかしたりしない。

君は終わってしまったことの寂しさを共有するための言葉をかけたりはしないで、ただただ僕を見ていた。

過去は過ぎてしまって、誰もいなくなってしまった。終わるということは美しいものじゃなく、ただ終わってしまうことだった。だからこそあの人は、ことさらはかなんでみせたりはせずに、ただじっとその終わりを見ていた。そうすることを選んでくれたことに驚いたし、ありがたく思ったから、僕もただじっとそれを見ていた。それでいいのだ。

自分は必ずしも正しくない。嘘つきにはならない。気軽に約束はできない。むやみに感傷で彩ったりはしない。

すべてそうなのだ。自分は正しくない。ごまかしたりしない。必ず正しいとは言えない。嘘はつかない。そういうことなのだ。

これは僕自身の解釈でしかないし、あてずっぽうなものなのかもしれない。しかし自分にとって曖昧な部分なしにこの曲を見通すことができたと感じたのは事実である。だからこのようなものが書けた。

もっとも、個人的にはこの内容のすべてを別の言葉で作り直してしまう方法自体はそんなに面白くもないし、こだわるべきものではないと思った。できても誉められたことではないし、それを目的にして行うのはよくないことだとすら思う。なぜか。たぶんそれが目的である限りは、元の歌詞を自分の言葉に押し込めて読者にとっての意味を極端な形で限定しようとする意図を感じるからだ。それは作品の内容を一般化するふりをして、作品以外のものに立脚してしまっているのだと思う。上記の読み方だけが真実であってはたまらない。歌詞に書いてあるとおりで、あくまでも僕は正しくなんかない。逆に、フィッシュマンズという過去をただ自分のべたついた感傷で封じ込めたりもしない。僕もまたそれが誠実なことだと思う。

なるほど、自分がこの歌のどこに惹かれていたのかを知る上で助けになるやり方ではあったようだ。作品を鑑賞するためのメモくらいには使えるわけだ。いつもなら僕はこのような自分の解釈を頭の中でおおざっぱに描きながら、最終的に自分がそれをどう考えるかということを中心にこのブログを書いていると思う。今回はつまり、その書く前の段階をたまたま短い言葉でまとめられると気づいて実行したのだ。

僕はどこまで誠実でいられるだろうか?これが「Hang Reviewers High」に掲載する、100個目の記事である。

2007.05.25 | | コメント(2) | トラックバック(0) | [音楽] [文章

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2010-11-23 火 21:09:13 | | # [ 編集]

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2012-08-13 月 00:12:38 | | # [ 編集]

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