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モーニング 2007 NO.50

先日、ある雑誌の編集者の方に「2008年に新たに注目されるコミック作家は誰だと思いますか?」と問われて、僕が挙げたのは水上悟志と福満しげゆきだった。水上悟志については、「惑星のさみだれ」がどんなに少なく見積もってもアニメ化ぐらいはされるに決まっていると信じているのだが、福満しげゆきについては、ちょうどその質問をされたときに出ていたモーニングの「僕の小規模な生活」

この漫画は、あと3回で終わります。「続けろ」とおっしゃっていただければ続ける覚悟はできております。


と書かれていて、それが大変気になっていたからだった。だからほとんど、注目されてほしい、そうあってほしいという気持ちから彼の名前を挙げたのかもしれない。でも結局そのことはしばらく忘れていて、それで今週モーニングを立ち読みしたら、このマンガは最終回だった。終わることが告知されてから、欄外には読者から寄せられたコメントがたくさん載っているんだけど、それを読んでいたら感動して涙が止まらなくなった。だから雑誌を買って泣きながら自転車で帰って、家で読んでまたずっと泣いていた。

続けてほしい。お金がなくてかわいそうです。がんばっているのでもっとかわいそう。

終わらないでください。これが言いたくて、アンケートに初めて応募しました。続けてください。

やめないでください。もし連載が大変なら、私が手伝います。


それでこの連載はもうすぐに単行本が出て、描きためて2月から再開するという告知につながるんだけど、それが本当によかったなあと思って、僕はめそめそしていたのだ。

僕は考える。アンケートに「続けてほしい。お金がなくてかわいそうです」と書くことが、真摯な思いにそうしたのだとしても、いかばかりか軽薄な気持ちだったと言われたら、書いた人はそれを否定できないと思う。だけどいま、それでいいのだと思う。むしろその素朴さは好ましい。彼に向けられた「お金がなくてかわいそうです。がんばっているのでもっとかわいそう」という切なさを、僕は美しいと思う。大学で誰とも接することなく、地下の暗がりで本を読んで過ごしていた彼が、たまたま見かけたような人にその存在を認められる姿は感動的なことだ。

それでも僕は、この作家はやっぱりどうしようもないだめな人だし、実際に彼を知る人からは困った奴だと思われるだろうし、打算的なところすらある人だと思うのだ。それに、読者からの支持があって単行本が売れても、その意味をあまり深く考えずに「ああよかった」とだけ思ってしまうと人だとすら思う。だけど彼はそれをひっくるめても、見かけたら「がんばっているのでかわいそう」と思われるほどに人生を生きていて、そこには間違いがない。最終話のラストには「僕の小規模な失敗」のラストにあった曖昧さはなくて、それはこの上なく物語的な終わりだ。読者からのコメントや、単行本発売の告知も含めて、そこにはモーニング側の編集手腕が遺憾なく発揮されているはずだと、僕はむしろ思いたい。その結末が付けられたことで、この作品はとても感動的に締められた。単行本がたくさん売れちゃえばいいのに、と僕は思う。

2007.11.19 | | コメント(0) | トラックバック(0) | [マンガ

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