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AKB48「制服が邪魔をする」

AKB48にはほぼ興味がなかった。しかし秋元康の仕事を僕はかなり評価しているため、AKB48についても「スカート、ひらり」などはいいと思っていた。デビュー当時のAKB48は「アキバ系」のブームの流れから導き出されていた。これは過度に清楚さと処女性を強調しつつ少女に対する性的な幻想を味付けとして使うという80年代アイドルのパロディ的存在でありつつ、現在のオタク文化が持っている保守的な女性観との一致を正しく指摘したものだと思っていた。だが、最近このグループのリリースを意識して見ていなかったうちに、どうも様子が変わってしまったようである。PVを見ればより明らかだが、「制服が邪魔をする」は推定少女の焼き直しと言っていい。

「女性としての性を求められるが故にハードな現実を生きる制服少女」という90年代的なキャラクター性は、パロディとして現在について批評的な視線を投げかけるものではない。つまり僕は「渋谷で援交する少女から垣間見える歪んだ現実(とエロ)」というリアリズムは2007年においてほぼ成り立っていないのではないかと思っている。少女の援交それ自体は若者を語る上での大きな問題ではなくなってしまった。これはよく調べるべき問題なのではっきりとは言えないが、おそらく細分化やゾーニングが進んだせいで若者全体を語ることが難しくなったせいではないかと思う。援交をするような少女とは当人以外にとっては別の現実、物語に過ぎなくなってしまった。彼女たちの物語は人々にとってせいぜい援交AVのストーリー部分としてしか処理されなくなり、仮想の恋愛を提供するアイドルポップスとしてのリアリズムは減退する。推定少女において既にそうだったのだから、「制服が邪魔をする」はさらに後退していると言わざるを得ない。

Berryz工房が優れているのは、そのような大きな社会性をアイドルに持たせようとしないからで、「現実について分かったようなことを言うクラスの女子」という半径5キロ程度で終わるゆえにリアルさを感じる物語を作り上げている。松浦亜弥が「ドッキドキ! LOVEメール」「トロピカ~ル恋して~る」などから現在的な平凡さを強調し続けたのを通過してなお、今どきの女の子の現実が渋谷に求められていると考えるのはあまりに古い価値観であり、またノスタルジックな存在として持ち出すにも時期尚早である。人数の多い推定少女としてAKB48が扱われるのであれば全く残念だ。

ただ、この曲は楽曲が大変すばらしい。僕がこの曲を聴いた理由も、薬局に行ったらかかっており、歌詞はよく聞こえなかったがサウンドが気になったからなのだ。80年代アイドルポップスの外連味あるメロディーを使いつつ、トラックには90年代的ダサカッコ悪いドラムやシンセのループがまるでシャ乱QやLAZY KNACKあたりを引用したがっているように見えて非常に面白い。それに「アーン」というあのハロプロ的なアヘ声ブレイクが入る。ここに新しさはあると思う。

2007.02.05 | | コメント(0) | トラックバック(0) | [音楽

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