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うちに帰りました。 鴨志田穣さんの想い出

連休初日はまだ仕事をしていたが、時間を作って大手町へ出向いた。まさに青天の霹靂という感じで、とてもいい陽気の日だったのにものすごい雨が降り出した。雨が弱まってからようやく会場に着くと、死んでしまった鴨志田穣のためにずいぶんの人が集まっていた。家族も知り合いも読者も、みんな彼のことが好きだったなあという顔をしていた。誰も彼に怒ったことなどないようだった。西原理恵子は彼がいい男だったと言って泣いていた。僕はかわいい人だなあなどと考えていた。

「うちに帰りました。 鴨志田穣さんの想い出」というタイトルの小冊子をもらって家に持ち帰り、鴨志田穣が小学校卒業の時に書いた作文を読んでいると、そこに彼のきまじめで自罰的な性格がそのままに表れていて何だかぼろぼろ涙が出てきた。文章じたいも、死ぬ前に書かれたものとほとんど変わらない、同じ人間の筆が感じられる。一読者である僕には彼が本当はどんな人だったのか分からないけれど、この子供が書いた作文には僕の理解している彼の姿があるのだ。僕にこんな色が出せるだろうか。わからない。

泣きながら、僕が泣いているのはこの人のことが好きだったからだろうか、と考えた。そうではなくて、僕は誰かが死んだということにただ感傷的になって泣いているだけなのではないだろうかと思った。それから「だったら何が悪いんだ」と思い直した。それが家族だろうと、知った作家であろうと、たまたま通りかかった葬式であろうと、誰かが死んだことが悲しくなって泣く何が悪いだろう。だから僕は、すっかりやせてしまった晩年の写真を見てもっともっと泣いた。

2007.05.01 | | コメント(0) | トラックバック(0) | [文章

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